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授業百景

# 第二景 これくらいは分かるやろ、と言いたいけれど、そうじゃない。vol.1

2020.03.10

第2回は上田祐樹先生の特集です!

上田祐樹先生の授業について、学生からは以下のような部分が授業の魅力として挙げられていました。

【微分方程式Ⅰ】
〇理解しやすいように、教科書をただ消化する授業ではない。
〇数学という基礎を盤石にしてほしいという意図が伝わる。
〇声が通るし、理解できていない生徒の所へ歩いて説明しに行く。
〇学生に対して怒れる熱い先生。
〇説明が理路整然としている。(先生が予習していると伝わる)

そんな上田先生の授業づくりの肝を聴いてきました!


(コーノ以下―)―本日はどうぞよろしくお願い致します。(上田祐樹先生以下スペース)そんなに評判の良い授業をしているつもりはないので笑。なんで、声がかかっているのか分からないですけど笑。
―いえいえ!ぜひお話詳しくお聞かせいただきたいです。

上田祐樹(うえだ・ゆうき)先生
機械システム工学科

―早速ですが、まずは今回選ばれた微分方程式の授業について伺っていきたいと思います。授業15回全体で意識されていることなどありますか? えっと、数学講義なので、かつ僕は数学の教員じゃないんで、数学的なものを突き詰めるってわけじゃなくて、数学を使えるようにっていうスタンスで講義しようということでやってます。1日2つぐらい、その日にやるテーマみたいなのを決めて、演習問題を自分でやる。僕が黒板で解法を示して、その後それと同じような問題を学生に解いてもらう、というような流れで講義と演習をミックスしたように進めるんです。
―1コマ90分の時間配分だと、どのような感じですか? まあ、最初の5~10分で前回の復習をして、その後20分で講義して、演習の問題を15分くらいで解かせて、答え合わせを5分ぐらい、っていうのを2セットですね。そうすると、大体90分、そんな感じかな。
―学生は手元で解いてって感じですかね。 そうですね。
―で、その場で丸つけをして 丸つけまでちゃんとやってるかどうかまで管理してないですけど。そこらへん歩きながら、「ちゃんとできてなかったら、分からんなら聞いてくれ」と、積極的にこちらから声かけるようにしています。まあ友達同士とも議論することは許容しているので。
―いいですね。 いいかどうかはわからない笑。えっと、僕自身が受けた数学の授業の経験として、分からんかったら分からんまんまになってしまうっていうのがあったんです。まあ、微分方程式自体がそれほど難しいことではないので、落ちこぼれないようにと思ってやっています。

 そういう風に、フォローができる授業はいいんですけども、例えば熱力学の講義してた時にはそういう風には展開できないですよね。教えることの量が多いので、問題を解くという時間に30分も費やせないという。
―ああ…難しいですね(*_*) そうですね。まあ、そういう講義もあるんです。なんで、あれなんですよ。微分方程式の講義と熱力学の講義はどちらも授業アンケート*では、教員のやる気が感じられるかって項目で、4.なんぼってすごい高いんです。それで、微分方程式の場合は、この講義理解できましたっていう項目に繋がってるんだけども、熱力学の方は、教員のやる気は感じられるんだけども、理解できましたっていう項目はそこまで高くなくて、分かりませんでしたってそういう風になりますんで。教えないといけない量が多くて、フォローができてないというのはある。
―熱だけ届きましたっていう笑。 そうそう笑。先生が熱いのは分かったんですけど、それで理解が進んだかと言われると、もちろん理解できた人もいるけれど、そうじゃない人もいると。そういう意味で、教える科目の特徴っていうのもあるかなと。
―そもそもの教える量が多いと理解できてるかまでのフォローは難しいんですね。 授業で理解できなかった部分は自習っちゅうか、そういうのんをやるべきなんだけど、全員ができてるわけではない。

君たち去年は必ずできたはずや

―使う道具としては、教科書と板書という形ですか? そうですね、主に板書ですね。教科書はあった方が確実に分かりやすいけども、教科書がなくても理解できるようになっていると思います。説明して演習して、板書で問題解いてますから、どうやって解けばいいかは分かるようにはやってると思います。

―板書はどんな風に書いてくんですか? 文章を書きます。とはいっても数式が主になんだけど、その間の補完は話して繋げます。大体100人ぐらいの講義なので、上下できる黒板のある大教室でやります。
―プリントとかは特に使わないですかね。 使わない。

―言葉選び、空間づくりなどで工夫されていることってありますか。 うーんと、どうしても「これぐらい分かるやろ」とか「これ分かってるよね」って思いたいんだけども、言いたいんだけども、そうじゃないよね、という、そうじゃない人もいるよね、という風に言うようにはしてる。これ君たち去年は必ずできたはずやと、そうじゃないとここにいないんだけども、もう忘れているかもしれんっていう。そういうところはやろうとは思っているけど、それが学生にとってほんとにフォローになっているかどうかは分かりません。
 まあ、できて当然やねんけど、できない人もおるということは分かる、と。
―いや、大事だと思います!

厳しさとユーモア

 あと、(事前に実施したアンケートに)授業の良かった点に書いてくれているけど、「学生に対して怒れる」っていうのは、学生がうるさいとか、やってるとまあ怒ります。僕の言葉遣いが悪いと言われればまあ悪いかもしれません、その点に関しては。1年生、にぎやかなんですよね。きゃぴきゃぴしてるんですよ笑。
―初々しいというか笑。 それは、演習時間に相談したり喋るのを許容しているんで、いったん区切って次の内容を始めようかってなった時に切り替えがなかなかうまくできないときがあるから。ちゃんとステップは踏んで、いきなり怒るわけじゃないんで、「もうそろそろええか」と、それくらいです。
―怒るというより、厳しさもあるって感じですね。 あとは、喋るのがそれなりに得意やから、「間」みたいなものはちゃんと考えるよね。基本的に僕はよく喋るんですよ笑。
―…おしゃべりなんですか笑? うん、よう喋る。あと、笑いは取るようにはしている。
―本当ですか笑。 笑。ユーモアね、ユーモア。
―まず、間っていうのはどんな感じですか? えっと、ザーッと喋ってて、そのまま重要なところをザーッと一気にいかない。「ここが大事です」って、明示する。それがいいかどうか分からない笑。
―大事だと思います!単調な説明が続くと、どこが重要でどこが補足なのか分からないってこともあります。 そうなんだ。

―ユーモアっていうのは、どんな風に入れているんですか? 分からん、でも雑談もするの、雑談。
―どんな雑談ですか? どんな雑談って、そんなん分からん笑。考えてネタ作っていかへんから、それは分からんけど。笑ってへんのかな、僕が笑わしてるつもりで向こうは笑ってないのかも。学会発表でも必ずそういう楽しい所、笑える所を入れようとはしてます。最近だと、僕のやっている研究が凄いマイナーなんだけど、学会発表するときに、マイナーなんでって自己紹介させてくれと、そういう風に言うだけで、リラックスして聴いてくれる。そういうの。
 でも僕らさ、あれやん、授業のやり方とかそういうどうしたら授業できるとかさ、そういう教育を受けてないから、教育実習もないし。
―そこですよね、たぶん…。 笑。
―それもあって、この企画やってます!


上田先生の「授業百景」vol.1はここまで! 続くvol.2はこちら

* 授業アンケート…学期末に、学生がそれぞれ授業について理解度や予習復習にかけた時間などをアンケートで答える。それぞれの項目は5点満点で評価される。

※ 授業の形式等はインタビュー当時やアンケートの回答時と変わっている場合があります。何卒ご了承ください。