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授業百景

# 第三景 授業の準備が楽しすぎる!凝り性でどうにかしないと笑。vol.3

2020.03.10

殿塚先生の「授業百景」vol.3は、試験や大学院、実験の授業についてです!
これまでの記事はこちら→vol.1vol.2


殿塚隆史(とのづか・たかし)先生
応用生物科学科

試験開示でコミュニケーション

 次、評価です。試験結果を開示してます。
 これは、単に点を開示というより、コミュニケーションの場として、来た学生に開示するという形にしてます。ただ、期末試験の後だと「終わったー」っていって春休み、夏休みになって、みんな来ないので、中間試験を入れたりすると良いですよ。中間試験を入れて、僕の場合は飴も配ってんですよ笑。なんか、飴を買ってきて、飴を上げるから来なさいって、それはやってもやらなくてもいいんだけど
―そうなんですか(゜゜)!中間試験の結果を聞きに来た人は飴をもらえるんですね笑。 それは、地域生態にはやってないごめんね笑。そういうところで自学科と他学科で差が出ちゃうごめんね。
―いえいえ笑。オムニバスなんで仕方ないです、もちろん自学科を大切にしてください笑。 まあ、そんな感じなんですけど、開示するのもみんなバラバラ来ると大変なので、web掲示板で開示の時間を設けて、そこで対応しています。
 やっぱり大教室で、学生が80人とかいると、なかなかコミュニケーションとれないじゃないですか。なんで、試験開示で来た人に、こんな点ですよって言うと、この子がこれくらいの点なのかって、まあなんとなくね、お互いに分かるんですよ笑。
―緊張感がありますね笑。

 ただもちろん大学っていうところはね、ペーパーテストですごいいい点を取ったらいいかっていうと、特に学部の授業の場合はそうとも限らないでしょ。それは一つ重要ですし、点が悪いよりは良いかもしれないけど。いろんな人がいますよ、ペーパーテストはなんか悪いけど、研究室入ってから実験させるとすごいいいとか、そういう人いるから。
 試験はコミュニケーションの道具ですよ。まあ内容がわかってくれれば、試験が何点かって言うのはそこまで重要でないというかね。 僕の授業のマニアな試験で、完璧主義な人とかって100点を取ってくれて、すごいと思いますけど。

 最初は授業やってた時、SとかAとか多くしてたんだけど、やめました。で、この子は努力してるなって人はSだし、そこそこの人はCでいいと思うんですよ。評価は公平につけるって言うのが大事だと思う。

 あともう一つ、開示するとなると教員もちゃんと真面目に点付けるっていうのが、開示することの良いところです。試験の点付けって、あなたも実際にやってみたら分かると思うんですけど、80人もいて、単純作業だから意外と間違えるんですよ。だけど、開示するってなると、ちゃんと点付けないとっていう緊張感があって、やっぱり間違いが少なくなるので開示はしてます。
―開示で手元に結果が返ってくると良いですね。レポートでも先生に出したままで返ってこないと次の課題に反映できない(*_*)!っていうこともありました。 僕はレポートちゃんと返してますよ。だってシュレッダーかけるのもめんどくさいんで笑。
―有難いです。大変なんですね…レポートを見るのも点をつけるのも。

英語で授業をするなら@大学院

 で、次は大学院の授業なんですけど。これは他の先生に教わったんだけど「受講生を指名して、適宜講義の要約をしてもらう」っていう。これね、意外とやると良いんですよ。この前、10人ぐらいの授業でやった時はみんな面白いって結構言ってくれたので、要約させるのはいいです。
 大学院の学生はバックグラウンドがバラバラで、それに農学専攻で他コースからも来るから、皆がどれくらいできるのかなって難しいんですよ。
 加えて、大学院で英語の講義をやることになって、日本人の学生も留学生もいるので考えたのが、最初は高校の化学です。アミノ酸の、これなら知ってるでしょっていう所から。で、最初にちょっと説明した後、日本人の学生に「じゃあ、あなたこれちょっと英語で説明してみてください」って言うと、途端に難しいんですよ。そうやって英語で要約させるっていうのを繰り返してたら、学生が「なかなかこんな英語で発表する機会がないので、いいですね」ってすごい喜んで。
―難しそうです笑。 難しいです。まあ、カタコト英語と日本語でやって、演習か何だかわかんなくなっちゃったんだけど、意外と学生は面白いですねって言ってくれた。
 ただ、「当てますよー」って最初に言っとくと良いです。だから、Some of you とかrequest、summarizeするとかって。
―当てます宣言ですね。 そう、当てます宣言ね、やると良いです。
 まあ、これは学部の大教室でやる授業とは違うんですけど大学院で少人数ならこんな授業もできます。もちろん、大学院もいろんな授業があって、集中講義で自分の研究に関連するのも、いわゆる普通の授業もあります。そこは、人数に合わせて用意してますよ。

ちょっと席替え

 で、学生実験です。まあ、席替えしてるんですよ。
 実験の席って大体あいうえお順で固定するじゃないですか。例えば、応生の場合だと二人ずつとかペアの場合が多いんですけど、実験の授業でアンケートとった時に「一緒にやったやつが全然何もやってくれなかった」とか笑、そいつの文句を延々とA4一枚書いている人もいて、はっはっは笑。
―えええ笑。 それもそれであれなんだけど、ちょっと席替えしてみようかなと思ったんですよ。一応、乱数発生させて席替えして、コミュニケーション取るにはいいかなと思ってて、もう凝り性ですよ。こんなことやったらね。
―時間ないんじゃないんですか笑。 そう笑。いろんな人がいるから何とも言えないですけど、まあ大体おおむね好評っちゃ好評ですよ。意外とこれね、(乱数発生させて配置した座席表を)作るのめんどくさいんで、通年で作って固定です。
―なるほどです笑。普段の実験と殿塚先生の実験の時は、学生の隣近所の人が変わるという感じですね。

原理の説明を少々、実験方法の手順は細々(こまごま)、
目的と背景カットの不親切設計

 あと、学生実験は講義と違って試験があるわけでもないですから、原理について長々と説明はしない。30分くらいで切り上げるようにして「後は調べて」って言います。そうじゃないと、あっという間に1時間とか経っちゃうんですよ。ただ、実験の方法については、安全のために重要なので詳細に説明します。
 それと、学生実験って複数で組む場合が多いので、誰がやってもいいように実地マニュアルを作ってます。一回作っちゃうと後はこの通りやればいいので、TAにも原理や目的、手順と注意事項が詳細に載っている冊子を配って、この通りにやってって言ってます。TAも毎年変わるし実験は準備が大変ですよ。

 それで、学生に配る実験テキストはわざと、不親切にしようと。
―そうなんですか?! 普通の学生実験っていったら、原理とか背景とか書いてあるでしょ。これ一切書かない。僕のテキスト部分は、「この実験の目的や原理は記載していないので各自がこの実験にふさわしい目的を考えて書くこと」って書いてある。目的なんてそんなもの書いちゃいけないんですよ。いけないっていうか、学生にしたらテキスト丸写しでいいっていうのは、レポートの作り甲斐がないじゃないですか。
 だけど、方法の項目は安全のために重要だから、しっかり書かないといけない。危険なことは、こういう理由で危ないとか危険な薬品を使っているとか、そこは分かりやすくする。
 そんな風にして、あんまり親切なテキストにしない、メリハリはつける。
 僕のところは僕なりに、他の先生は他の先生なりになんだけど、まあ前任の先生から引き継いだ時は原理とか目的もあったんだけど、削った笑。

 ただし、レポートについては、こんな風に書いたらいいですよ、S取れますよとかって教えてあげる方がいいかなって。僕なりのね。
 これはよく言ってますけど、会社のエントリーシートとか自由フォーマットほど難しいことがあって、必ずカラーの図を入れろとか、研究費の書類とかもそうでしょ。じゃあ先に書いてあげた方がいいんじゃないかと思って。僕も最初、全然知らなくて後から図を入れると良いとかって教えられて、そんなの早く言ってよーとか思って笑。
 だから一応課題とかも設定して、これをレポートに盛り込めばいいっていう風にして、それ以上はあんまり説明しない。その方が、レポートの作り甲斐もあるし。
―学部1・2年だとレポートの書き方も手探りで、本に倣ってやってみても先生に違うよって言われたりするので、学生のとっかかりがあっていいですね。


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※ 授業の形式等はインタビュー当時やアンケートの回答時と変わっている場合があります。何卒ご了承ください。