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授業百景

# 第八景 授業はLIVE🎤 教科書には書いた人の伝えたいことが、講義には自分が伝えたいことを vol.2

2020.04.09

村山先生の「授業百景」vol.2です! vol.1はこちら


村山能宏(むらやま・よしひろ)先生
生体医用システム工学科
(改組により2019年度から。2018年度まで物理システム工学科)

板書でリズムを取りつつ

―授業の形式として、板書やスライド、プリントなどあると思うんですけど、どのような組み合わせで授業をされていますか? 私はですね、基本的に物理数学の方はもう板書のみかな。あとはプリントをごくたまに、何回か配りますかね。で、連続体物理の方もたまに、プリントとかパワポも使ったりはしますが、基本は板書ですね。
―やっぱり板書の方がやりやすいというか、いいですかね。 ! もう、そのそれだけですね。そうですね…正直なところ、パワポとかを使って自分が、自分も楽しみながらというモードになかなか入っていけないというのが一番ですかね。
 板書の方が、なんかこう、リズム感が良いというか。これを伝えたいからこれを書くとか、でそれに対していま、どういう状況かな、というのを見やすい感じはしますかね。…学生さんはどうなんですかね?
―学生にも、板書の方が書いて覚えられるから好き!って言う子もいます。板書がいやだって言われている授業は大体、先生の字が読めないからっていうことが多いので、あの、読めれば大丈夫ですし、あとは書いている途中で消されちゃったりすると、あああ(*_*)っていう感じはありますね。
―でも、そのスライドでも板書でも先生に合っているかどうかがたぶん大事だと思いますね。
 そうですね。私もそうだと思います。

―板書するときに何か気を付けているっていうことはあったりしますか? えっと、本当のことを言えば、言葉だけで伝わるんだったら、それがベストですね。で、板書はやっぱり書くことで、伝えたい情報が増えるので、板書する。そういう意識はあります。流れの中で描くっていう感じですかね笑。
 …自分で自分の授業を受けて見ないと分からないのかもしれないけれど笑。もちろん、伝えたいものは授業のノートとして書いてあるし、そのノートに書いてあることを自分も板書はするんですけども、やっぱり説明のために書くっていう感じですかね。ここに書かないと説明ができないから書く、そうじゃなくて言葉だけで伝えられるんだったら別に言葉だけで、伝えればいいとは思いますね。

e=-1 を感じとろう!

―授業でやることをまとめたファイルなどはありますか? 授業ノートですかね?もちろんありますよ。 数式ばかりで何のことやらかもしれないですけど。

―これ、×と大きく書いてあるのは、 もうこれ説明しても意味ないかなとか、何回かやっているうちにちょっと重複した説明になりすぎるなっていうことで。

 よく学生さんからいいと言われるのは…最初に「今日のテーマはこれですよ」みたいなことを伝えるというのは少し意識していることはありますね。全体の中で、今日の第二話のテーマはこれ、だとか。

―この「感じとろう!」ていうのも書かれるんですか。 これはテーマなので、書いたりしますね笑。
―大事だと思います!先生の言葉が文章で入っていると流れが分かるので。でも、先生が書いてくれるだけでなく学生が自分でメモする力も大事な気がしてきました。テイラー展開…とか全然わかんないですけど笑、ありがとうございます!

学科で連携してチャレンジ!

―学生からのアンケートに、演習があるとあったんですけど、どういったタイミングでやるんですか? それはですね、物理数学は結構、チャレンジングなことはしていて。ここ3、4年なんですけれども、アクティブラーニングの一環みたいな感じなんですが。今までの演習というのが、宿題ではなく、その場で解いて、誰かが前に出て、黒板に書いて、その答え合わせをするっていうのが、通常の演習だったんですが…あんまり意味ないかなと。それは家で解いてくればいいだろうって、自分が学生だったら少なくともそう思って、答えくださいというのになってしまうというのがあったので、授業でやる前に、授業でやることを考えるというのを、演習でやるようにしましたね。
 さっきの一番分かりやすいかな?例えばですね、コーノさんと同じレベルで学生さんも…授業ノートにあるような、こういう数式があった時に、たぶん見ても意味分からないですよね。
―はい…笑。 で、学生さんも何も分からないんですけど、分からないなりに、何か意味を考えてみましょうって、言うのをちょっとディスカッションしてもらって、ですね。あれこれ考えると、例えばベクトルとベクトルの内積があるから、じゃあ内積は前の授業でやった時こういう意味だったよな、とか、積分は確かこういう意味だったからこうだろうな、とか。だとすると、この数式ってこういう意味を持っているんじゃないかな、とか。それを8個から10個ぐらいの1グループ7、8人に分けて、考えてもらって、それを最後の2、30分くらいで発表してもらいます。それが1限にあって、その時間中に回答は何もしない。で、3限にその内容の講義をやると笑。
―そうなんですか(゜゜)! 1、3限でやっているんですか。 これはあえて、そういう風にしました。同じ日の1限に何か、今日やることについて考える。で、その後に3限で講義を聞いて、ああ、そうかこれはこういう意味だったのか、って納得してもらう。それもやってみたらどうかな、といってやってみたってことですね。

 1限の授業が演習で、今言ったことをやって、3限で問題提起した内容に関する講義を行って、学生さんにとってみれば、「おお、これはそういうことを言っていたのか」という。
 モチベーションを上げてほしいのと、「これから何をするのかな」、「今日の話は何なのかな」というのを一度考えたうえで授業に臨むというのが、お互いにとっていいんじゃないのかな、と思って。ここ3、4年やっていましたね。
―続けてみて、どうですか? 正直…同じ内容の試験をやってもそんなに変わらないかな、と。これが劇的になにか効果があるかっていうとそうでもないんだけれども、でもその場でいっぱい計算問題解くみたいな講義じゃなくて、こういう動機づけの演習であったとしても。その学力が少しだけわずかに、上がってんのかな…わかんないな、それはあまり判断できないです。
 学生さんも、授業アンケートを見る限り、悪くはないのかな、という印象ではありますけれど、それもまあ好き嫌いありますからね。話したり議論したりするのが好きという学生もいれば、1人でこつこつやりたいなんて学生もいるので、なかなか一概には難しいですけれど。
―面白い取り組みですね。演習も村山先生がされているんですか? はい。1限の授業は助教の先生がメインで、具体的なのはやってくれていて、私はみんなが発表する後半部分だけ行って、学生はこういうことを疑問に感じたり、こういう風に考えたりするんだな、というのを聞いた上で、自分の3限の講義にフィードバックする。
―連携しているんですね。 その辺は、うちの学科は皆さん意識してやってくれているので、こんなこともできていますね。学科として、体系的にこういう風に物理を学んでほしいというのはあるので、そういう風にカリキュラムを作っているというのもありますね。まあちょっと、工学部の方は改組があってガラッとは変わりますけど*。

教科書のメッセージと授業のメッセージ

―参考にしている人や本などはありましたか? 担当する科目のいろんな教科書、色々な人が書いているのを読みましたね。そうすると「おお、この先生はこういう表現するんだ」とか、「この先生はあの部分をこういう書き方をするんだ」というのがあって、ただ、なんか、自分が学生の場合に最悪なのは、教科書に書いてあることそのままっていうので、それはたぶん、良くないかな、っていう気はして。で、それは教科書を書く人にはこれを伝えたいということがあって、一冊の教科書を書くわけであって、それは教科書を書いた人が伝えたいことであって、自分が講義で伝えたいことはまた別の可能性がありますよね。
 そう思うと、今回この講義で自分が伝えたいことはなにかな、というのを、そこがやっぱり一番大切なのかな、という気はしていますね。
―村山先生の伝えたいオリジナルなメッセージですね。 はい、それが自分の言葉で伝えられるかどうかっていうところはあるのかな、という気がしますね。
―大事な部分だと思いますね。先生方の経験とか固有なものを通して基礎を学ぶということに授業を受ける面白さがあるのかな、と思うので。 そうですかね…。研究発表とか学会の発表とかでもそうですよね。あなたは何を伝えたいんですか?っていう、たぶんそこが一番かと思いますので。
―ちなみに他の先生方の授業って見たことはありますか? あんまり記憶にはないですね、しっかりと、よし、この先生の授業きいてみようという形で聞いたという記憶はないですね、はい。そういう機会とかあったらいいと思いますね、お互いに。
―先生同士で、あんまり来てほしくない、緊張するとかってお話を聞いて…村山先生はもう、ウェルカムって感じですか?笑 あ~なるほど、私は全然来てもらうのは、特に問題はないですね笑。


村山先生の「授業百景」vol.2はここまで!
続いては、村山先生の経緯について詳しく教えていただきました。
村山先生の「先生ヒストリー」はこちら

* 工学部の改組に伴い、村山先生の担当していた【物理数学Ⅰおよび演習】は2019年度以降開講されていない。また、所属学科名について、インタビュー時「物理システム工学科」であり、2019年度以降「生体医用システム工学科」と変わった。学生の学科所属については2019年現在、移行期間にある。詳しくは農工大HP(工学部)へ。

※ 授業の形式等はインタビュー当時やアンケートの回答時と変わっている場合があります。何卒ご了承ください。