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授業百景

# 第六景 まちがえてしもたわ~、ぐらいがちょうどいい? vol.1

2020.04.09

第6回は合田洋先生の特集です!

合田先生の授業について、学生からは以下のような部分が授業の魅力として挙げられていました。

【線形代数学Ⅱ】
〇板書を主とした授業、全体を通して数回演習問題を配布。板書が見やすい。
〇解説が分かりやすい。試験の告知が早い。
〇授業が面白い。いつも楽しい授業をありがとうございます。

そんな合田先生の授業づくりの肝を聴いてきました!


(コーノ以下―)本日はどうぞよろしくお願いします。
(合田先生以下スペース)よろしくお願いします。

合田洋(ごうだ・ひろし)先生
応用化学科

昔々、BT賞というものがありました。

 既に聞かれたかもしれないですけど、昔、ベストティーチャー賞(以下BT賞)というのがあったんです。学生が良い授業をしている先生に投票するっていう。初代は大野先生*で、5年ぐらい続いたのかな。上野先生や知能情報システム工学科の斎藤先生**もいつも名前が挙がってましたね。
―…斎藤隆文先生ですかね?今回もお名前があげられてますね。 そう!笑。ただもうだいぶ前で、10年ぐらい前ですね。それは工学部だけでやっていて、当時BT賞に選ばれた人達が、それぞれ授業でどういう工夫をしているかっていうのを説明してくれる会があったのです。出席すると、本当に役に立つことがあって。

 例えば、上野先生が言ってくださったことを僕は今でもやってるんですけど、90分授業をやると、疲れちゃう。特に1年生は疲れちゃう。だから間にちょっと休憩を入れるといいよーって、言われて、それを僕は採用して今でも使ってます。45分経って、「3分ほど休憩します」って言ったら、学生はベターっと寝る人もいるし、ラインやる人もいるし。とにかくちょっとね、ほんの少しですけど、それでもだいぶ変わって、また気分を入れ替えて次の40分、みたいな感じになりますね。
―なるほど。その、ベターって寝る人の気持ちすごい分かります笑。 難しいよね、大学の授業はね。
―そうですね、まだ慣れてない緊張とかもあるかもしれないですね。特に1年生なら。 去年ですけどね、生命工学科の最初の授業で、学生さんが貧血で倒れちゃったの。びっくりしました。やっぱり緊張していたみたいで。ほんと、気をつけないといけないなと思いました。

普段のおしゃべりと同じ言葉で

 普通の言葉でしゃべるっていうことにも気を付けているんです。
 BT賞に選ばれる先生もなんですけど、授業の時も普段の、普通の話し方をするんです。先生のほうはリラックスしているというか、緊張してないというか。
 秋山仁先生って知ってます? 東京理科大の数学の先生で、ラジオで数学の高校生用の講座をやっていたんです。それが高聴取率だったんで、何が違うんだろうって思って聞いてみました。そしたらどちらかというと、普段よく使うような言葉づかいで、内容は普通の数学なんです。じゃあ、他の人はどう話してるんだろうと思ったら、「で!あるからにして!こうなるべき、こうなることなんです!」みたいなね。この差かー!と思って笑。
 それからは、こっちもリラックスして、できるだけ普通の話し方で話すようにしてますね。授業を聴いている方も、普段通りに話してるとリラックスできるんですよ。だから、先生が変な文語調で言うと、なんか変になっちゃうんですよ笑。で眠くなる。
―…確かに、そうかもしれないですね笑。 大野先生だって、体が大きいからね、最初はこわー、って思うけど、話してたら、ほんとにやさしい、普通の話し方で。大野先生、僕すごい好きですもん笑。―そうなんですね笑。

ラジオ番組みたいに

―授業の流れや時間配分などで、先ほどの間に休憩を取ること以外には何か工夫などあったりしますか? 必ずと決めてるわけじゃないですけど、90分の中でこれだけは大切かなとか、思うところと、まあこれはどっちでもいいかなっていうのと強弱をつけるというのはしています。
―学生にちゃんと明示するって感じなんですかね。ここは大事だから、皆しっかり聞いてくれみたいな。そうでないところはまあ、聞きたい人は聞いてくれればOKみたいな。 そうですね。

―出席は取ったりしますか? 出席の紙は回してます。それは書いても書かなくても成績には影響せずに、インフルエンザとかで試験を受けられなかったときに、追試をするかどうかのネタにする、って言ってます。
 いつも授業に来てるけれど、たまたまインフルエンザや風邪になって受けれなかったんだなって、それを書いてたら分かりますからね。証拠にもなる。だから、出席は取っていて、その裏は好きなことを書いていいですよって自由記述にしているんです。
 そしたらね、「あつもり***楽しみです」とかね。あつもりって何?!って笑。あと好きな声優さんのコンサート、西武ドーム行ってきましたとか、そんなことが書いてあったりして面白いです。ダジャレとかね、書いてあって。
 最初は質問が多いんですね。授業の冒頭で配って、休憩の3分の間に回収して、前の学生と喋ったりね。それで質問があれば休憩の後、最初に答えます。ラジオ番組みたいに。
―いいですね!

教える熱意と脱力感の塩梅

―続いて、既にお聞きしたかもしれないですけど、抽象的なことで大事にしていることってありますか。 抽象的なこと…。ちょっと抽象的…って難しいですね。

―学生に向かっては言わないですけど、自分にとって授業の位置づけのようなものがあればお聞きしたいです。

 それは、個人個人あるでしょうね。僕は、教えるの好きなんですよ。でも、はまりすぎないようにしています。はまりすぎると、研究は出来ないし、あんまりこっちが力入ると、学生は引くんですよね。一生懸命になりすぎてね、熱弁ふるうとね、学生はどんどんどんどん引いていくんです。だから、こっちがちょっとボケてる方がね、「ああ、ここ間違えてしもたわ~」ぐらいの方が。そのうち学生の方が「先生そこ違いますよー」とか言い出すじゃない、「そこの符号違うんじゃないですか」とかね。そのぐらいがいいように思っています。
―それは面白いですね笑。 あとやっぱりね、ちょっと大阪弁が出るんですけど。関西の人の話し方と東京の人の話し方と、違うんですよ。研究集会でもね笑、関西の人が話すとその持ち時間の中で、なんか笑いを取らないといけないっていう笑。僕の同僚でずっと東京だった人が関西の大学行ったんですけど、「合田さん、数学の研究集会なのに、なにか笑いを取らなきゃいけないっていうプレッシャーがあるんですか!?」って、言われたことがあってね笑。
 ちょっとね、関西人はそういう傾向があるんじゃないかと思いますけど。上田先生****もそうじゃないかな。
―笑いは取りたいっておっしゃってましたね。 やっぱり!言ってた!?(°Д°) やっぱりそうだよね笑。あの、COWCOWって知ってます?
―はい、あたりまえ体操の、 そう!よく知ってる!彼らが育ったのが僕の生まれの枚方って所なんです。だから、彼らの言葉とかお笑いのツボとか、ちょうどはまるんです。時々劇場に行ってお笑いの勉強をしてます笑。
―ええ笑。めっちゃいいですね笑。 でも大体滑るんですよ、僕が授業でやると笑。だからね、あんまり役に立ってないんだけど笑。難しい…笑。自分の気分転換もあるんだけど、数学辛いんでね。もうそれこそ、抽象的な概念を毎日毎日考えて笑。辛いんで、こっちが暗ーくなると授業も暗ーくなってね、学生にも伝染するんですよ。だから、時々、そういうの見に行って笑。
―なるほど笑、それはありそうです。 ごめんなさい、なんか全然本題と違っちゃって笑。
―いえいえいえ!


合田先生の「授業百景」vol.1はここまで!
vol.2では、衝撃の事実が…?? 合田先生の「授業百景」vol.2はこちら

* 大野弘幸先生…東京農工大学の学長(2017年4月~2020年3月)。身長は180㎝を超える。
** 斎藤隆文先生…斎藤先生の「授業百景」はこちら
*** あつもり…あつまれ どうぶつの森の略。
**** 上田祐樹先生…出身地が合田先生と近い。上田先生の「授業百景」はこちら

※ 授業の形式等はインタビュー当時やアンケートの回答時と変わっている場合があります。何卒ご了承ください。