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先生ヒストリー

# 第十六景 万人に平等の透明な箱をイメージして、時間を有効に🕒

2020.07.08

久保先生の、今に至るまでの経緯について詳しく教えていただきました!
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久保若奈(くぼ・わかな)先生
知能情報システム工学科

―続いて、現在までの経緯をお聞きしたいと思います。概ね修士・博士以降の経緯はどのようでしたか? 私は、理化学研究所で9年間研究員をし、その後、大学に赴任しました。理化学研究所での仕事は研究がメインですが、例えば、連携大学の大学生が理研に配属になることもあり、そういった連携大学の学生さんの卒研・修論指導をしていました。
―農工大に着任されてから、すぐ授業を担当されましたか。 1月着任だったので、後期の授業担当になり、半年間は猶予がありました。私の場合は本当にありがたいことに、着任後1,2年目に関しては、電子デバイスの授業を、もともと担当されていた教授の先生と分担していました。教授の先生が2限の講義を担当され、私が3限の演習部分を担当していました。
 おかげで授業の流れや方法などをご指導いただき、その点はたいへん助かりました。やはり着任してすぐに授業を0から組み立てるのはかなりたいへんで厳しいと思います。特に授業経験に乏しい新任の先生に対しては、以前その授業を担当されていた先生がアドバイザーとしてサポートするような態勢を大学が率先して作ってくださると助かると思います。例えば、授業資料を渡してくださるとか、板書の取り方の指導などです。

―研究者になりたい、先生になりたいというのは、どういったことがきっかけでしたか? 先生になりたいと思ったきっかけは、たまたま高校の化学の先生の授業が非常に面白く、憧れたからです。授業の上手な先生だったんですね。そして、大学院に入って研究がとても好きになりまして、とにかく良い研究をする研究者になりたいと思うようになりました。大学の教員は教育と研究の両方ができるので、ゆくゆくは大学の先生になりたいと思っていました。

授業と研究で、相互にフィードバック

―ちなみに、他の先生の授業に見られたことはありますか。 残念ながら、この大学ではありません。他の大学では何度かありました。
―他の先生が授業されているのを見て参考になったことなどありますか? たくさんあります。授業だけでなくサイエンスの講演会も、授業の参考になると考えています。サイエンスの講演は聴衆に話のレベルを合わせます。それはちょうど授業の受講生の理解度に合わせて授業を進めるのと同じです。

 それから、講演の合間にちょっと面白いことを言う、このセンスがとても重要だと思っています。人間の集中力が続くのは大体25分と言われています。だから、25分以上まじめな話が続くと、受講生は飽きてきます。そこでリラックスのためにもちょっと笑える話を入れられたら、と心がけているのですがこれを実践するのはとても難しいです。
 ほかにも、講演会での講演者の話し方とか、声の抑揚とか、マイクの使い方、図の見せ方などを日頃から参考にしていて、これは良いと思ったテクニックは授業に取り入れるように心がけています。研究や授業のそれぞれ良いところを互いに取り入れて、それぞれを改善できるように心がけています。授業の改善もゲームのような感覚で楽しみながら取り組んでいます。

透明な箱を区切る

―大学の先生方は教育・授業・事務雑務と、お仕事が膨大にあると思いますが、そうした仕事を進める際のコツなどはありますか? 時間を区切ることが大切と思っています。時間は有限なので、仮に1日8時間働くとしたら、そのうち授業準備に割けるのは最大4時間程度になります。
 そこで頭が冴えている午前中または午後冒頭に授業準備や学生指導、論文執筆などの重要な業務を行うようにしています。頭も疲れてくる夕方は事務仕事をするように心掛けています。朝はやはりクリエイティブな仕事が進みます。
―優先順位をつけて、活動的な時間に思考の要る作業を当て込んでいるのですね。 そうです。良い例えがあります。時間は透明な箱のようなもので、そのサイズは万人にとって同じです。その箱を有効的に使うためにどうするかといいますと、先に優先順位の高い”大きな石”を箱に入れるのです。重要な大きな石を入れ終えたら優先順位の低い”小さな石”を詰めていく。そうすると限られた箱の空間を有効的に使えます。仮に小さな石から先に入れてしまうと、あとから大きな石が入らなくなります。石の一部が箱から出てしまう、それは石を入れられないことと同じなのです。自分が持つ仕事それぞれに優先順位をつけ、限られた時間の中で、より重要なことを先にこなして大きな成果を残そうと心がけています。

大きなものを先に入れて、その後に小さなものを入れた場合(上)と、
小さなものと大きなものを区別せずに入れた場合(下)のイメージ図

―あの…めちゃくちゃ綺麗ですね、研究室! 片付けも趣味なんです。
―つよい…です✨

久保先生の居室

 肉眼では見えない電子の動きを、動画を使うことでイメージしやすくし、机間指導を通して学生とのコミュニケーションを積極的に取りながら、ロジカルに授業や研究室指導を行う久保先生。研究や授業のそれぞれ良いところを互いに取り入れて、どちらも向上させていくゲームのような感覚というのが非常に新鮮でした。

「授業百景」第十六景、いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございます。次回もお楽しみに!